沖縄県那覇市、ゆいレール小禄駅から徒歩7分
TSUTAYAの裏手側の住宅地の中にある「そば処きくや」さんは、
2005年の創業当初から粟國の塩で沖縄そばを作り続けている、沖縄そばの専門店です。
沖縄県民のソウルフードとも言える沖縄そば。
そんな気軽に食べられている沖縄そばに、
なぜわざわざ粟國の塩を使うことにしたのでしょうか?
その思いをききました。
お話を伺ったオーナーの照屋さん。5年前に照屋さんのお母様からお店を受け継いだそうです。
きくやさんは開業当初から、粟國の塩を選んでいただいているとききました。
そのお話を伺いたいです!
もともと粟國の塩が好きだったんです。
おつゆを作るにしても何にしても、甘みがあって。
開業するときに、いろんな塩を試しました。
それこそ、すべて試したと思います。
結局一番しっくりくるのが、粟國の塩だったんです。
創業当初は粟國の塩をイオンなどに買いに行っていたんですね。
でも売り切れていることもあって。
他のスーパーを巡ったり。
どうしても買えないときは・・・
開店しませんでした。
えー!お店を開けなかったんですか!?
味を変えてはダメですから。
あ、そうか。
それはそうですね
やっぱりね。
そばだしは塩が命ですよ。
塩でぜんぜん違うんですよ。
粟國の塩は大量生産が難しいので
売り切れている時もあったと思います。
ご迷惑をおかけしました。
いえ(笑)
今は直接お取引させてもらっているので
とても助かっています。
照屋さんと、きくやを支えるお姉さまたち。一番左の方は先代のオーナー、照屋さんのお母様です。
お客様の行動で気づく、塩の良さ
実は、試しに
他の塩を使って沖縄そばを作ったことがあります。
ですが・・・
どうしても塩辛くなってしまう。
昔は「そばを食べたら水を飲む」って言っていたんですよ。
塩自体が辛いから、飲むんですよ。
でも僕らのそばは違います。
食べにきたお客様を見ていてもわかります。
僕らのそばだと、水はあまり減らないですよ。
そんなに違うんですね。
内地の人も「とても美味しい」って言います。
どんな塩を使っているのか、訊いてくる人もいますよ。
あまり教えてはいないんですけどね(笑)
粟國の塩は粗塩ですし、一般的なお塩とは違いが大きいと思います。
お店の味を作り上げるのに苦労したところは、ありましたか?
最初は塩加減が難しいです。
味を作り上げる時に、何度も飲まされましたよ。
飲んでいくうちに、何がいいのかわからなくなってくる(笑)
何度も水を飲んでリセットしながらがんばりました。
でも今はやっと、一発で塩加減の量がわかるようになりました。
本当に使いこなしてもらって・・・
ありがたいです。
お客様のために、できること
そういえば、きくやさんはお店で使う野菜のために
自前のファームを用意されているんですよね。
スープに使う野菜も
アレルギーを考えないといけないですから。
自分たちでそこまでやるのは
手間もかかるし、労力もかかります。
普通はやらないでしょうけれど。
いまは昔より健康志向になっていて、
食べるものにとても気を使うようになっている。
スーパーなどをみても、誰が作ったお野菜だとか生産者の顔がでていたりしますよね。
お客様は安心を買うんですよね。
だから僕たちはお客様に安心を届けたくて、ホームページやFacebookなどで発信しているんです。
こんな人が作っているって、知ってほしいんです。
自分たちで作っているから、農薬も使っていないってわかっている。
安心安全な食材を使っているって、間違いないですから。
塩もしかりですよ。
「きくやそば」をいただきました。ソーキ、軟骨、三枚肉と、きくやの自慢のお肉三種類が一度に味わえます
軟骨までトロトロのソーキに、旨味の奥に甘みを感じるスープ。どこか懐かしさを感じるのに、こんな沖縄そばは他にはないとも思わせてくれる、美味しくて感動の一品でした
インタビューを終えて
お腹も心も満たされる、いい沖縄そばをいただきました。
照屋さんはお母様からお店を受け継いでからも
より美味しい味を求めて、時にはお客様からも意見をききながら、
改良を積み重ねてきたそうです。
食材へのこだわりも、安心安全なものを食べてもらいたいから。
真摯にお客様と向き合うというのは、こういうことなんだなぁと感じました。
きっと、きくやさんが沖縄県民のソウルフード「沖縄そば」にこだわるのは
「安心安全で美味しいものが身近にある」んだと
みんなに感じてほしいから。
そんな思いが伝わってきた気がする、とても嬉しいインタビューでした。